本物のぺんぺん草に

(70代女性)

日本画家「堀文子」(93歳)の生き方を紹介したテレビ番組を観て印象に残った。「群れない、慣れない、頼らない」を信条に、自分の価値観と美意識を貫いている。

「狼魚の孤独」という作品は、深い海の底でジーッとしている狼魚の根性が良いと絵にした。「ミジンコ」という作品は、顕微鏡で覗いたミジンコを、何て美しいんだろうと思い絵にした。

81歳でヒマラヤに登山をし、幻の花と言われている「青いひなげし」を描いた。どの作品も観る者の足を止まらせ、ハッとする感動を与える。作者の心情が伝わってくる。

「天才でなくても良いから、凄い牡丹でなくても良いから、ペンペン草で良いから本物のぺんぺん草になりたい」と言う堀文子。”本物”の神髄は”心”なのだと思う。私もぺんぺん草のように目立たなくて良いから、本物の絵を今年も描きたい。

(2012年2月5日発行つのぶえ掲載)