共生の道

(70代女性)

「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマの信徒への手紙12章15節)

3月11日、東日本を地震と津波が襲った。想定外の大津波だったので、家屋はのみこまれ、多くの人々が逃げ遅れて波にさらわれた。

このような状況の下で、岩手県釜石市では、三千人近い小中学生が、学校から無事に避難した。背景には、古くから津波に苦しめられてきた三陸地方の言い伝え「津波てんでんこ」(自分の判断で早く高い所へ逃げろの意味)に基ずいた防災教育がある。

釜石東中の生徒たち二百名は地震が発生するや、自主的に高台を目指し、合流した小学生三百人を守りながら、安全な場所まで走った。

避難所でも子供は元気だ。助かった命だから、是非、人のために尽くしたいとボランティア活動をしている。

大人が子供から元気を与えられている。大人は子供たちに何を返したらよいだろうか。

(2011年5月1日発行つのぶえ掲載)